<ご挨拶>
日々の関東HLA研究会活動へのご支援、誠にありがとうございます。この度、高橋聡先生の後任として関東HLA研究会代表幹事を拝命しました。私は1993年から東海大学医学部でHLA研究に携わり、その魅力(魔力)に取り憑かれた数少ない基礎研究者の一人です。
この30年間、HLAに関する様々な情報が技術革新により得られてきました。例えば、大量塩基配列決定技術によるHLA領域の全塩基配列の決定、DNA多型マーカーの設定による種々の疾患感受性を示すHLA多型の同定、次世代シーケンシングによる正確なHLA
DNAタイピングや種々の抗体検査方法によるDSAの正確な検出などが挙げられます。このようなHLAを取り巻く技術革新は今後も続いていくと容易く想像できますので、HLA情報や検査技術情報をいち早く入手するためのプラットフォームが必要となります。
以上の経緯を踏まえて、本会はHLA分野の将来を担う若手研究者や医療関係者の皆様へのHLA学の教育や啓発を地域レベルで努めることを目的として2016年に設立されました。その後、東海大学名誉教授の猪子英俊先生(2016-2019)、ジェノダイブファーマ株式会社の中島文明先生(2019-2020)、東京大学医科学研究所の高橋聡先生(2021-2025)が精力的に本会を牽引され、日本組織適合性学会の連携団体に見合う組織を整備されてこられました。また、これまでに開催した7回の学術集会では、いずれの演題においても活発な議論が繰り広げられてきましたので、会員の皆様におかれましては知識を共有できる貴重な機会になることを期待しています。
今後は、これまでの代表幹事が培ってきた組織を継承しつつ、HLA従事者の交流や最新情報の提供を積極的に図って参ります。また、HLA検査実習やワークショップなど、実際に体験していただくHLA教育イベントの企画や開催にも注力する所存でございますので、会員の皆様からの厳しいご指導と温かい支援、そしてご協力を心からお願い申し上げます。
2025年2月
<代表幹事>東海大学医学部 椎名 隆