過去のイベント

第1回関東HLA研究会学術集会(2017年度)

日   時:2017年5月17日(土曜日)13:00~18:00
当番世話人:湯沢賢治 国立病院機構水戸医療センター
会   場:東京大学本郷キャンパス医学部1号館3階講堂
参 加 者:127名
演題と抄録は、日本組織適合性学会誌MHC第1回関東HLA研究会抄録集 (PDF版)をご覧ください。


(WS) 次世代シークエンサーを用いたHLA DNAタイピング実習

コーディネーター:椎名 隆(東海大学医学部)
2018年3月9~11日実施  参加施設:13施設、参加人数:16名
 次世代シークエンサーを活用したHLA遺伝子のDNAタイピング法(NGS-SBT法)は、PCR-SSOP法やSBT法などの現行の高解像度DNAタイピング法では不可能なphase ambiguity問題の多くを解消する新しいHLA検査技術として臨床現場への導入が期待されている。ところが、NGS-SBTを実際に経験された方々は少なく、また経験して頂く機会も国内ではこれまでにない。そこで本研究会では、NGS-SBTを経験して頂くための実習を13施設、16名の参加者と共に3日間の日程(2018年3月9-11日)で開催した。具体的には、4つのパートに分けた実習項目(ライブラリーの調製、テンプレートの調製、シークエンスランおよびアレル判定)と6つのパートに分けた講義(NGSの原理、DNAの品質チェック法とAmpliconの準備、NGS-SBT法の開発史、NGS-SBT法の将来展望、アレル判定ソフトウェアの紹介など)を実施した。さらに本実習では、NGS-SBT法に対する理解度を深めて頂くため、参加者らが自らの手を動かして体験出来るような工夫を施した。 本ワークショップでは、本実習の概要を説明した後、参加者の佐伯幸枝先生と竹下昌孝先生からNGS-SBT法の印象、現行のHLA DNAタイピング法との違い、NGS-SBT法導入の際に考慮すべきこと等についての率直な意見をいただく。さらには、参加者全員を対象にしたアンケート結果についても報告する。回答者全員がNGS-SBTに関する実習や勉強会の場は今後も必要であると回答されたことから今回と同様な実習やワークショップの継続的な実施が必要であろう。

 

(WS) 蛍光ビーズ法HLA抗体検査試薬の半量法に関するワークショップ

コーディネーター:中島 文明(日本赤十字社中央血液研究所研究開発部)
2018年1~3月実施  参加施設:11施設
 昨年、公表された論文では、LABScreen Single Antigen(LS-SA)試薬について操作全体の効率化を検討し約70%の時間短縮を達成したとされる。その中で、ビーズも標準量と半量で扱っているが、なぜか双方の明確な比較はされていない(Hum Immunol 78, 2017)。本研究会では、ビーズ量の違いが試薬性能に影響するか複数施設で検証することにした。 参加11施設に対し、4種類のHLA抗血清を共通配布し、各施設ではビーズを標準量と半量でそれぞれ測定した。LS-SA試薬は、クラスIが全てLot.010、クラスIIがLot.011と012半々であった。可能な限り施設間のバイアスを排除したいため、抗血清は未処理のまま使用し、操作はメーカーのinstruction manualに従うように指示した。様々な組み合わせで、ビーズ標準量と半量の測定結果を比較すると、ピアソンの積率相関係数や線形回帰直線等の数値データは、どの施設も良好に見えた。しかしながら、Raw dataで比較するとバックグラウンド・シグナルのバラツキなど操作環境の影響は十分に排除できていない。バックグラウンドの制御が相関に影響することも認められた。集会では、このような様々な観点の解析結果を提示するが、半量法の可否に関しては、その使用目的を踏まえた上で各施設の判断に委ねたい。


第2回関東HLA研究会学術集会(2018年度)

日   時:2018年6月9日(土曜日)13:00~18:00
当番世話人:藤原孝記 帝京大学医療技術学部臨床検査学科准教授 帝京大学医学部附属病院 輸血・細胞治療センター
会   場:東京大学本郷キャンパス医学部1号館3階講堂
参 加 者:129名
演題と抄録は、日本組織適合性学会誌MHC第2回関東HLA研究会抄録集 (PDF版)をご覧ください。


(WS) 第3世代ナノポアMinIONシークエンサーを用いたDNAタイピング実習

コーディネーター:細道 一善(金沢大学)
2019年3月9日実施  参加施設:15施設、参加人数:21名
 Oxford Nanopore社から販売されたナノポアシーケンサーMinIONは手のひらにのるほどコンパクトな筐体,という見た目のインパクトだけでなく,長いリード長が得られること,ランまでの作業が簡便であること,リアルタイムで産出されるデータを速やかに取得できること,など多くの技術革新が詰まった新たな原理に基づくシークエンサーである。特に,長い読み取り長はHLAアレルの塩基配列の組み合わせによるアンビギュイティの解消には大きなアドバンテージがある。一方で,塩基配列の読み取り精度はその他のNGSに比べて劣るとされており,クリニカルグレードの精度を担保するための評価が必要といえる。そこで,MinIONを使ったHLAタイピングを実際に体験することを通して,その操作性やデータの質を議論する実習を14施設21名の参加者で開催した。本ワークショップでは実習での作業の流れ,それぞれの工程での所要時間,MinIONの操作,得られたリードデータ,さらにはそれを用いたHLAタイピング結果を紹介する。全体を通しての所要時間は5時間程度であり,1フローセルで11遺伝子,7サンプルを解析したところ,2時間のラン時間で得られたデータ量でHLAタイピング解析は可能であり,課題は残るものの,将来的に迅速診断の実現が期待できる結果であった。


(WS) 蛍光ビーズ法を用いた補体結合性抗体の検出ワークショップ

コーディネーター:中島 文明(日本赤十字社 中央血液研究所)
2019年1月~3月実施  参加施設:9施設
 蛍光ビーズ法を用いたHLA抗体の測定では,抗ヒトIgGの蛍光値(nMFI)を指標に判定評価され,臨床医にとって数値で示すことは利便性が高いと受け入れられてきた。移植・輸血医療における臨床評価との比較検討を重ねてきた結果,どの分野においても適正なカットオフがなかなか定まらず混迷している。このような状況で,nMFI値のみで評価する手法に留まらず,プロゾーン回避のための抗体希釈系列による検討,イムノグロブリン・サブクラスによる検討,HLA抗原発現量の差異,補体結合性抗体による検討など臨床成績に近づけるための様々な検証がされている。特に,補体結合性DSAの回避は,移植・輸血医療において有効性が高いという論文が数多く公表されている。しかしながら,日本組織適合性学会が主催するQCワークショップでは,補体結合性抗体の検査結果は皆無という状況で,日本国内ではこの手法が浸透していないと考えられる。今後,この検査が潮流となる可能性もあることから,補体結合性抗体の検出ワークショップを企画し実施した。まずは抗ヒトIgGとの結果の違いを体験してもらい,同時に複数施設の参加で施設間差を確認した。この手法を取り入れてデータを蓄積していくことが今後の臨床評価につながると期待する。


第3回関東HLA研究会学術集会(2019年度)

日   時:2019年5月18日(土曜日)13:00~18:00
当番世話人:中島 文明 日本赤十字社 中央血液研究所 研究開発部
会   場:東海大学高輪キャンパス2号館1階講堂
参 加 者:112名
演題と抄録は、日本組織適合性学会誌MHC第3回関東HLA研究会抄録集 (PDF版)をご覧ください。

 

第4回関東HLA研究会学術集会(2021年度)

日   時:2021年5月15日(土曜日)13:00~18:20
当番世話人:石田 英樹 東京女子医科大学 移植管理科
会   場:Zoom Webinarで実施
参 加 者:223名
演題と抄録は、日本組織適合性学会誌MHC第4回関東HLA研究会抄録集 (PDF版)をご覧ください。

第5回関東HLA研究会学術集会(2022年度)

日   時:2022年6月4日(土曜日)13:00~17:50
学術集会担当幹事:杉本達哉 東海大学医学部付属病院 臨床検査技術科輸血室
会   場:Zoom Webinarで実施
参  加 者:223名
演題と抄録は、日本組織適合性学会誌MHC第5回関東HLA研究会抄録集 (PDF版)をご覧ください。

第6回関東HLA研究会学術集会(2023年度)

日   時:2023年5月27日(土曜日)13:00~18:00
学術集会担当幹事:東 史啓 日本赤十字社 血液事業本部 技術部
会   場:東海大学高輪キャンパス2号館1階講堂で実施、ウェブ配信あり
参  加 者:142名
演題と抄録は、日本組織適合性学会誌MHC第6回関東HLA研究会抄録集 (PDF版)をご覧ください。

第7回関東HLA研究会学術集会(2024年度)
日   時:2024年5月18日(土曜日)12:38~17:40
学術集会担当幹事:椎名 隆 東海大学医学部 基礎医学系 分子生命科学領域
会   場:東京大学医科学研究所1号館・講堂で実施、ウェブ配信あり

歴代代表世話人や当番世話人・学術集会担当幹事からの挨拶文

歴代代表世話人

2016-2019 猪子 英俊 ジェノダイブファーマ株式会社 代表取締役社長, 東海大学名誉教授
 最近のHLA学の研究・臨床における進展は様々な分野で裾野の広がりをみせ、医療への予防、診断、治療における個別医療・適確医療への適用の必要性がますます増しています。基礎的にはHLAと疾患の関連と分子機構の解明、HLAの免疫以外の神経・脳における新機能の解析、エクソン以外に遺伝子多型の機能解析や遺伝子間のintergenic領域の多型の機能的意義の解明など、HLA蛋白・HLAゲノム領域の重要性がますます認識されつつあることに加え、臨床の現場においてもHLAの移植における適合性、HLAを標的にした薬剤開発、がん免疫ワクチンなどの癌免疫療法におけるHLAの役割、臨床研究におけるコンパニオン診断薬としてのHLAタイピングの重要性、iPS細胞など再生治療におけるHLA適合の重要性、薬剤副作用における個別医療、HLAと相関する疾患の診断と予防医学など、医療へのHLA学の貢献などが大いに期待されています。一方、日本組織適合性学会では、残念ながら次の時代を担う若手が十分に育っていないことが憂慮されている現状です。このような状況下でHLA分野の将来をになう若い研究者や臨床に関わる医療関係者の育成にともに、HLA学の啓蒙に地域レベルで努めることは、大いに意義あることと考えられ、このたび、関東HLA研究会を立ち上げることとなりました

2019-2020 中島 文明 ジェノダイブファーマ株式会社
 2016年に猪子英俊先生を代表世話人として設立しました「関東HLA研究会」は、これまでに3回の学術集会を開催し、多くの参加者のもと盛会のうちに終了することができました。この度、日本組織適合性学会の地方会への昇格を使命として、代表世話人の重職を引き継ぐことになりました。 日本組織適合性学会では、組織適合性検査に携わる技術者ならびに指導者の育成を目的として組織適合性技術者認定制度を設置し、技術の向上のための精度管理プログラムの運営、技術者や指導者の認定ならびに検査施設の認定を行っております。国は平成30年度厚生労働省令第93号による医療法の一部改正で、医療機関において検体検査の精度の保証を求めております。また、臓器移植においては、抗HLA抗体保険収載にともない関係学会の指針を遵守することが盛り込まれております。さらに、日本造血細胞移植学会の移植施設認定基準ではHLA 検査に関して日本組織適合性学会の認定を受けた検査技術者が在籍する検査機関を利用することと規定されております。このような状況において、本研究会を日本組織適合性学会の地方会に昇格させることで、本研究会での集会参加や学術発表が認定資格の単位取得対象となります。合わせて過去3回分の集会にもこれが適用され関東地域の会員には大きなメリットになります。

2021- 高橋 聡 東京大学医科学研究所
 本会は、関東HLA研究会として東海大学名誉教授の猪子英俊先生を中心に2016年に設立されました。その後、日赤中央血液研究所の中島文明先生が2019年に代表世話人を引き継がれ、日本組織適合性学会の連携団体に見合う組織整備を進められてきました。例年開催されております学術集会では、分野横断的にHLAにかかわる科学的、技術的課題解決に向けて活発な議論が繰り広げられ、様々なバックボーンの方々の最新の研究成果や経験を共有し、意見を交換できる貴重な機会となっております。
 HLAは、様々な疾患病態とのかかわりのみならず、細胞性免疫応答の中心的な役割を担っている点から、ヒトが人として成り立つための中心的なシステムであることは言うまでもありません。本会にはHLAに関する世界的なレベルでの深い見識をお持ちの先生方が参加なさっておられ、若手研究者・技術者の育成に向けて情熱を注いでおられます。自己免疫やアレルギー疾患、がん、感染症、そして移植・細胞療法の分野でHLAの果たす役割は非常に多岐にわたることも分かってきていますが、私たちはまだ多く残る臨床現場での疑問、課題の解明に向けて共に考えていくとともに、その基盤となる最新解析技術の普及と向上を目指す関東地区でのプラットフォームとして、これからも活動を進めていきたいと考えております。
 世話人会を代表致しまして、今後とも会員の皆様とともに本会の発展に向けて仲間の輪を広げていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


歴代当番世話人・学術集会担当幹事

第1回関東HLA研究会学術集会 (2017年5月17日開催) 
湯沢 賢治 国立病院機構水戸医療センター
 昨年来、「関東HLA 研究会」の設立が検討され、代表世話人の猪子英俊先生のもと3 回の打ち合わせ会を経て、今回、「第1回関東HLA 研究会」を開催させていただくことになりました。当番世話人として、御挨拶申し上げます。私は、医師になって3 年目の1984 年に臓器移植の道を志しましたが、当時、有効な免疫抑制剤がなく、移植成績向上のためにはHLA を合わせることしか出来ず、私の大学院での研究もHLA から始まりました。その後、免疫抑制剤の進歩により、移植成績が向上し、臓器移植におけるHLA の意義が薄れてしまいました。最近、高感度な抗HLA 抗体検査が可能となり、抗HLA 抗体としてドナー特異的抗体DSA の臓器移植への関与が明らかになりました。しかし、現在、臓器移植患者のDSA 検査は保険で認められてはいません。実は今、この文章はシカゴのアメリカ移植学会の会場で書いています。臓器移植におけるDSA の演題が極めて多くあります。あるアメリカ人の大物移植医に、「日本ではDSA 検査が保険で認められていない。」と話したら、「そんな国で移植をすることが許されているのか!」と驚かれてしまいました。私としては、「やらないわけではなく、研究費などで行っている。」と釈明しておきました。私は移植医として、こんな日本のHLA の現状も変えたいという思いで、当番世話人を務めさせていただきます。この「第1回関東HLA 研究会」が盛会で、本研究会、HLA 学、移植医療の発展に寄与できることを切に願います。皆様方のお力添えをお願いいたします。

第2回関東HLA研究会学術集会 (2018年6月9日開催) 
藤原 孝記 帝京大学医療技術学部臨床検査学科准教授 帝京大学医学部附属病院 輸血・細胞治療センター
 昨年、代表世話人の猪子 英俊先生および13名の世話人のもと「関東HLA研究会」が設立されました。「第1回関東HLA研究会学術集会」は、国立病院機構水戸医療センター 臨床研究部長 臓器移植外科の湯沢 賢治先生を当番世話人として2017年5月13日(土)東京大学本郷キャンパス医学部1号館1階講堂にて開催され、お陰様で118名の方々にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。今回、「第2回関東HLA研究会学術集会」を2018年6月9日(土)東京大学本郷キャンパス医学部1号館3階講堂にて開催させていただくことになりました。HLAに関連する分野は、輸血・臓器移植・造血幹細胞移植、HLAと疾患との関連および分子機構の解明、薬剤の副作用など幅広く、基礎・臨床・検査技術に携わる医師・研究者・技術者が一堂に会する分野でもあります。また、「関東HLA研究会」の設立趣旨にもあります様に、HLA分野の将来をになう若い研究者や臨床に関わる医療関係者の育成を目的の1つとしておりますので、各分野の多くの方々にご参加いただき、「第2回関東HLA研究会学術集会」も盛会で、本研究会並びにHLA学の発展に寄与できることを願います。皆様方にはご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。


第3回関東HLA研究会学術集会 (2019年5月18日開催)
中島 文明 日本赤十字社中央血液研究所研究開発部
 「関東HLA研究会」は,2016年に猪子英俊先生を代表世話人として設立されました。現在は,関東を中心とした20名の世話人と4名のオブザーバーで活動しております。これまで2回の学術集会を開催し,多くの参加者のもと盛会のうちに終了することができました。このたび,「第3回関東HLA研究会学術集会」を2019年5月18日(土)東海大学高輪キャンパスにて開催させていただくことになりました。HLAに関する分野は,移植・輸血医療をはじめとして疾患感受性の研究,親子鑑定,法医学的応用,人類遺伝学的研究などに貢献してきました。近年では,iPS細胞などの再生医療,癌免疫療法,薬剤副作用における個別医療において注目され,これらの分野で応用されております。「第3回関東HLA研究会学術集会」では,そのような広範囲かつトレンドを意識したプログラムをご用意させていただきます。さらに,当研究会では多くの方にご参加いただくワークショップを開催しております。HLAに関わる最新技術の体験や技術的問題点を取り上げ,集会でご報告させていただきます。本年は,第4世代NGSを用いたDNAタイピングと補体結合性HLA抗体の検出を企画し,日常で試す機会が中々持てない技術を多くの方に体験していただきました。将来的に導入するための情報収集やその技術がもたらす科学的進展を考えるきっかけとして役立っているのではと自負しております。
 今後,当研究会は日本組織適合性学会の地方会としての地位獲得を目標としており,地域に貢献できる団体を目指して参ります。皆様方にはご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

第4回関東HLA研究会学術集会 (2021年5月15日開催)
石田 英樹 東京女子医科大学 移植管理科
 「関東HLA研究会」は、2016年に猪子英俊先生を代表世話人として設立されました。現在は、関東を中心とした21名の世話人で活動しております。これまで3回の学術集会を開催し、多くの参加者のもと盛会のうちに終了することができました。この度、新型コロナ禍の影響で1年延期しました「第4回関東HLA研究会学術集会」を以下の日時で開催させていただく運びとなりました。HLAに関する分野は、移植・輸血医療をはじめとして疾患感受性の研究、法医学的応用、人類遺伝学的研究などに貢献してきました。近年では、iPS細胞などの再生医療、癌免疫療法、薬剤副作用における個別医療において注目され、これらの分野で応用されております。「第4回関東HLA研究会学術集会」では、当番世話人であります東京女子 医大の得意分野である臓器移植、造血幹細胞移植を中心に、移植医療における臨床と移植免疫学がうまく反映され理解できるよう、基礎講習、ワークショップならびにシンポジウムを企画いたしました。また、「関東HLA研究会」では、HLA分野の将来をになう若い研究者や臨床に関わる医療関係者の育成を目的の1つとしております。つきましては、以下の要項で演題の募集をいたしますので、特に若手の方々から奮ってのご応募をお待ちしております。

第5回関東HLA研究会学術集会 (2022年6月4日開催)
杉本 達哉 東海大学医学部付属病院 臨床検査技術科 輸血室
 HLAは移植医療におけるレシピエントとドナーの適合性確認のみならず、血小板輸血不応時のHLA適合血小板の検索、HLAと疾患感受性の関連がある疾患診断の補助や親子鑑定などの際に実施され、様々な分野で利用されています。今後も多くの領域でHLA学の貢献が大いに期待されていますことから、将来を担う人材の育成は大いに意義があると考えられ、本研究会がその一端に役立てば幸いに思います。これまでに4回の学術集会を開催し、多くの参加者のもと盛会のうちに終了することができました。この度、第5回関東HLA研究会学術集会をオンラインで開催する運びとなりました。今年の学術集会では、昨年の学術集会時に実施したアンケートでご要望の多かったHLAの基礎、またHLAと臨床との接点を理解できるよう、HLA関連基調講演、ワークショップならびに教育セミナーを企画いたしました。HLAへの理解をより深めていただけますと幸いに存じます。

第6回関東HLA研究会学術集会 (2023年5月27日開催)
東 史啓 日本赤十字社 血液事業本部 技術部
 2022年 1月、初代代表世話人として本研究会の立ち上げと発展に多大な貢献をされた猪子英俊先生が急逝されました。猪子先生は HLAが基礎研究、移植臨床、がん免疫や再生医療といった様々な分野で重要な役割をもつとして、その将来を担う若手の育成に大きな熱意を持って取り組まれておられました。今回開催する第6回学術集会もそのご遺志を継ぎ、 HLAに関わる若手の活躍を後押しする場でありたいと考えております。今回の学術集会でも、若手の HLA技術者に興味をもってもらえるよう、幅広い分野の先生方にご講演をお願いしました。教育講 演として移植臨床以外での HLAの未来の可能性についての話題を、シンポジウムでは現在 HLAが臨床において最も重要な位置を占めている造血幹細胞と臓器の両移植分野から、バンク事業概要の解説をいただきます。またワークショップでは日常検査で遭遇する事例のケーススタディをお話しいただき、基調講演として黎明期から現在、そして将来の HLA検査技術についての解説を予定しています。もちろん、一般演題も募集しておりますので、皆様の演題ご登録をお待ちしております。コロナ禍で参集形式の学術集会を開催できない状況が続いておりました が、今回は参集し皆様と議論が交わせることを祈念しております。

第7回関東HLA研究会学術集会 (2024年5月18日開催)
椎名 隆 東海大学医学部基礎医学系分子生命科学領域
 この度、第7回関東HLA研究会学術集会(第7回学術集会)の担当幹事を拝命しました東海大学の椎名です。2024年度におきましてもこれまで同様に以下の日程と場所で学術集会を開催いたしますので、奮ってのご参加を宜しくお願いいたします。さて本研究会では、HLA分野に携わる次の時代を担う若手が十分に育っていない現状を打破するために、この分野の将来を担う若い研究者や医療関係者の育成を設立趣旨の一つとしています。そこで第7回学術集会では若手の方々にも興味を持っていただけるようなプログラムを準備させていただきました。教育講演では、第31回日本組織適合性学会でご講演いただき、大きなインパクトを与えた子宮移植について、慶応義塾大学の木須伊織先生からご講演いただきます。シンポジウムでは、NGS-HLAタイピングの新たな展開をテーマとしてNGS法の新たな原理や有用性評価について解説いたします。ワークショップでは、昨年度のアンケートで大好評でした参加型ケーススタディを引き続き開催いたします。さらに特別講演では、臍帯血移植の成績向上や適応拡大に向けた研究について、本研究会の代表幹事であられます高橋聡先生からご講演いただきます。多くの方々にご参加いただき、MHCに関する研究、検査および医療業務のさらなる活性化につながる実りある学術集会にすべく鋭意準備を進めております。本学術集会で皆様とお会い出来ることを心より楽しみにしています。